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株式会社の役員変更についての二つの誤解

小椋 (2013年8月 6日 16:16)|

tsurumi_station.jpg株式会社の役員について、以前は長くても2年に一度はたとえメンバーに変更がなくても登記申請をしなければなりませんでした。
役員である取締役の任期が2年を超えることが出来ないと商法で定められていたからです。

平成18年の会社法の施行により、
新しく会社を設立する際に、比較的小規模な株式会社(全ての株式に譲渡制限がある会社)では、取締役・監査役の任期を最長10年とすることが認められました。

また、既存の会社についても、定款を変更して取締役・監査役の任期を最長10年まで延長することが可能になりました。

つまり、既存の会社についても、会社法施行の日(平成18年5月1日)時点で、役員である者については、
本来の任期満了の日までに定款中の役員の任期の規定を変更すれば、
選任後10年の範囲で任期を伸ばすことができるようになったのです。

一方、会社は登記されている内容に変更があった場合には、2週間以内に登記をしなければなりません。

もしこれを怠ったときは、過料という一種の罰金を支払わなければなりません。

会社法以前は、2年ごとの役員改選の登記を怠ったために過料が発生する例をよく耳にしました。しかし、近頃は全くといっていいほど、聞かなくなりました。



こんなことも手伝ってか、次のような誤解をされている方が少なからずいるようです。


  誤解1  .取締役や監査役の任期は、会社法によって10年に伸ばされた(自動的に)。

誤解2.平成18年から10年だから、平成28年までは役員変更登記なんて必要ない。


しかし、会社法施行後も原則として取締役の任期は2年、監査役の任期は4年で、それまでと変わっていません。

あくまでも定款を変更して伸長することが認められたに過ぎないのです。

さらに、10年の起算点は、会社法施行日ではなく、その取締役・監査役の選任の日です。

つまり、平成18年5月1日の時点で在任中であった役員については、当然それ以前の日が起算点になります。


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 例えば、
会社法の施行に際して、当時在任していた取締役・監査役の任期を10年に伸ばす定款変更を行った会社について、
最も早い場合は、監査役は平成24年7月に、取締役は平成26年5月には任期が到来することになります。

既に、監査役については登記期間を過ぎている会社も少なからず存在するのではと推測されます。
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会社法が施行された当時は、任期を10年とすることのデメリットの一つとして、改選時期を忘れることが指摘されていましたが、
正にそんな会社が増えている様子です。

過料を科されたり、酷い場合には、会社を職権で解散されてしまうことも今後、増えることが予想されます。


今一度、御社の役員の任期を確認されてはいかがでしょうか。

注)文中では、解りやすいように役員の任期を単に10年と表記していますが、正確には「選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」となります。

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